小さな庭が、まいにちほんの少しづつ片付いていって
繰り返し外にでて
繰り返し陽のヒカリを臨むたびに
苦手な記憶の重複が、綺麗な重なりを見せて
ちらばった何かが整列してゆく
草を取りながら歌い、正面から差し込む朝陽がいつまで涼しげか見つめて
そうやってわたしは、今がどのくらいの浅い朝かを知る
みんなが時計を見ながら電車に乗ったり
時間を見ながらご飯を食べたりする
そういう生き方ができなかった代わりに
わたしはずっと、一生けんめい世界を照らす光を見つめてきた
そこで得たものはきっとたくさんあって
自分がどんなふうに生きるかなんて
正解はきっと無い
大きな一角の草は、長く、硬く、抜けないものもたくさんあって
指がとても痛くなるけど
そういうのは、抜かなくても切ればいいよとりゅうじが教えてくれたことと、
ちょうちょの羽が落ちていて、怖くて拾えなかった週末
それを片付けてくれたから
今日はいつもよりも長く、朝外にいることができた。
。
ビタミンBが造られるから、日焼けを気にせず少しだけ外に出なさい
そう言われて
8月に入った瞬間の夕方に
呼吸が苦しくなるくらいの暑い外でふたり
ただ腰掛けて、その熱を感じた
生きることがとても苦手で難しいわたしに
身体の使い方や付き合い方、それをどうやって保つかを教えてくれる人
わたしに、生きることを教えてくれる人
ヨタヨタと、目をつぶりながら微かな光を追いかけて
風の音だけを頼りに生きてきた私に
力強く手を引いて、色鮮やかな世界を見せてくれる
昔からちょうちょが怖くて、絵や写真もダメだったんだけど
ちいさなハコニワの花に飛んでくる、白いちょうちょはかわいい。
どこか遠くへ飛んでいって、たまにきて欲しい。
並んで座れるように、外用のイスをもう一個買おうと思った。
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