ずっと前に 道に迷って なにもかもを失ったときに わたしはただ、愛するひとの望みを叶えることがしたいと そう思った。
富士山も ジェットコースターも わたしには ほんとに必要なくて
でもタオ君に、富士山を見せてあげられたこと
ジェットコースターに乗せてあげれられたこと
それが、わたしが一番したかったことで、
それができることが、一番幸せなことだとそう思う。
タオ君の、願いを叶えることや
潤の、願いを叶えることができたら
わたしは本当に、何も要らないと思う
一度泊まったことあるいいホテルだったことに着いてから気づいて
ひたすらに、ゆっくりできて、これまでの疲れがどっと感じられるような1日だった。
まだ多分、転機の前の揺らぎはきっとあるかもしれないけど
山梨に行く、と決められたことが
今はただ、嬉しい。
そしてわたしは、一度も笑ってこなかったとそう気づく。
潤を失ってからの数年間、わたしは笑うことを忘れた。
笑えるようなことが本当に無かったから。
でも、そんなわたしにタオ君が、「ママ、笑って」と声をかけるたびに、楽しくも面白くも嬉しくもないけど、笑顔を作ると、それが、タオ君にとって価値があることなんだと気づく。
そしてわたしは、潤の気配を感じるだけで、ずっと、芯から勝手に笑顔になる。声をきいて、どうでもいい話に耳を傾けて、コンビニでたいやきを食べたということを想像するだけで、ほんとうにそれだけで、ずっと心から笑顔になっていることに気づいた。
というかは、それくらい長い間、わたしは笑顔を失ったのだと気づいたことが
ある意味ショッキングな2日間だった。
タオ君が、アトラクションがほんとに楽しそうだったことに、胸を撫で下ろし、声を聞けた潤が嬉しそうで、本当に、よかった。
それはわたしのほんとの心からの願い。
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