タオ君が、2年ぶりに話したのに2週間ぶりくらいだね。 とそう言った。 わたしたちはいつもそういう関係で、ずっと何ヶ月も何年も音信不通でも、「来週帰ります」と突然実家に戻ってくるみたいに あたりまえのように、いつもそこにいた。 昔わたしが潤をまだ恨んで忌み嫌っていた頃、ある日に「ずっと連絡取らなくても平気なの?」とい訊いたことがあって、その時彼は「うん。毎日君のことを考えるから、毎日一 […]…
おっきな、おっきな1日。 山梨へ行く見通しがずっと立たない心もとない中で、足元がおぼつかないまま必死で行き先を探しながら、ぎりぎり日々をこなすような中で、ひとつまたひとつと大きな荷物が片付いてく。 タオ君のベッドの引き取り手が決まり、捨てなくても良くなったベッドは、遠くから優しそうな外国人のひとがとりに来てくれた。 ことばの通じない国で、生活する大変さのことや、家具や住む部屋や仕事を、掲示板で探し […]…
なにかがそっと 花開くときのSubtle な様子は 目を見張るくらいに この世界にあまりにも自然に 溶け込んでいて 調和していて ただ 驚く 誰もが気づくようなあからさまな、切り替わるような そういう変化ではなくて ずっと、何万年も昔から続いていたグラデーションのその色が 黒から、ずっと、ずっと延々とグレーだった場所で、もう2度と何も変わらな […]…
この部屋に、越してきた時に 3年だけ、がんばろうとそう思った。 奥まったキッチンはとても使いづらそうで、慣れるまでにとてもとても時間がかかった。 2階と1階を行き来することで起こる難しさも、なにが、起こっているのか理解するまでにとても、時間がかかった。 ただ、祈るように部屋を整えて、できる限り早く、この苦しい時間が終わりますようにと願いながら、始まった生活だった。 もしもあの頃1人だ […]…
ずっと前に 道に迷って なにもかもを失ったときに わたしはただ、愛するひとの望みを叶えることがしたいと そう思った。 富士山も ジェットコースターも わたしには ほんとに必要なくて でもタオ君に、富士山を見せてあげられたこと ジェットコースターに乗せてあげれられたこと それが、わたしが一番したかったことで、 それができることが、一番幸せなことだとそう思う。 タオ君の、願いを叶えること […]…

