京都のともちゃんの家に遊びに行った時、すごくかわいい絵をベッドの上に飾っていて、かわいいねと言ったら、
「その絵は、忘れん坊の天使っていう名前なんだよ。まいちゃんみたいだね。」
とそう教えてくれた。
忘れん坊のわたしは、まいにち、まいにち忘れてしまうことが悲しくてたくさんのひとに迷惑をかけることも悲しくて、生まれてから38年も経った今だに、その忘れん坊のあたまが苦しくて、みんなが普通にできることができなくて、なにもかも忘れてしまって真っ暗な中で迷子になって、家の中で遭難し続けて、苦しくなることがたくさんある。
昼寝をして、 起きたら全部忘れて、じぶんがどこにいて、何者で、これから何をしようとしていたのか 何もかも思い出せない。
そんなときは、とても怖い。
ところが今は、そばで、そんな忘れん坊のわたしに寄り添って、毎日を支えようとしてくれる山下さんやたおくんがいて、わたしの代わりに覚えていてくれるヘルパーさんたちがいて、
そうして、そんなわたしでも愛してくれるひとたちがいてくれるなかで
ときどき何かをふと鮮明に思い出したりして
そんなときが、1番とても嬉しい。
ともちゃんが、「まいちゃんみたいだね」って言ってくれた
忘れん坊の天使のことみたいに。
一生懸命、バラバラのジグゾーパズルみたいに記憶をたぐりよせて
【いま ココだよ】と教えてもらいながら毎日毎日を必死で繋いでゆく。
なにかを思い出せるってことは、すごいことだ。
またともちゃんちに 遊びに行きたいなァ。
(忘れっぽい天使・パウルクレー)
かわいい。
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